犬猫の歯科治療Animal dentistry
3歳以上の犬・猫のおよそ75%以上が歯周病であるといわれています。歯周病を放置したまま進行すると口から悪臭がするだけでなく、歯がグラついて抜け落ちます。さらには、歯周病菌が血液に入り込むと、心臓や腎臓にも悪影響を及ぼす危険性があります。
日頃のケアやプロの手による治療で、皆さんの大切なパートナーが生涯しっかり噛んで食事ができ、健康寿命も延ばせるようにしてあげましょう。
こんな症状ありませんか?
- 口が臭い
- 乳歯が残っている
- 歯がグラグラしている
- 歯石がついている
- 口内炎
- くしゃみ鼻水
- 顔が腫れている
- 食べづらそう、口が痛そう
これらの症状を放置していると・・・
歯根膿瘍の破裂
歯の根元に大量の膿が溜まり、痛みを引き起こします。また、歯周病菌が血液にのって全身にめぐると発熱をすることもあり、40度を超える発熱を引き起こすことあります。
膿は眼の下や顎の部分に溜まりやすく、徐々に皮膚が腫れはじめ、最終的には破裂して大量の血と膿が出てきます。強い痛みを伴うため、食事ができなくなることもあります。
顎の骨が痩せる、もろくなる
歯周病菌が歯の根元に入り込むと、歯を支える歯槽骨も炎症を起こし、骨が徐々に溶け出していきます。そうすると顎が痩せ細り、ちょっとした力が加わっただけで顎を骨折してしまうなどの危険性が出てきます。
心不全・腎不全
歯周病菌が血液中に入り込むと心臓や腎臓に到達して炎症を引き起こし、慢性心不全および慢性腎不全(慢性腎臓病)などの病気になってしまうことがあります。これらの病気は一度かかってしまうと完治は難しく、命に関わる危険な病気です。歯周病は人間と同じく、全身の健康に影響を与えるということを忘れないようにしましょう。
当院の歯科治療
日本小動物歯科研究会所属の
院長による治療
日本小動物歯科研究会とは、1993年に発足した「獣医歯科学の知識と技術の啓蒙と向上」を目的とした組織です。毎年、獣医歯科に関する症例検討会やセミナー、実習を開催しています。
犬や猫の歯へのスケーリングやルートプレーニング、抜歯などの処置について、院長は研究会から認定を受けておりますので、犬・猫のお口の症状でお困りの方はおまかせください。
*当院では、歯科治療はすべて麻酔を使用して行います。
大型犬や麻酔注射が苦手な犬・猫には、事前に睡眠薬を使用することがございます。
無麻酔での歯科処置の危険性については以下をご覧ください。詳しくはこちら >
治療の流れ
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- 来院
- まず御来院ください。歯科治療の相談は通常診療として行っていますので予約は不要です。
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- 診察
- 飼い主さんに話を聞き、身体検査や聴診を行いながら歯の状態を確認します。
日頃のデンタルケアの様子と合わせて歯科治療について相談します。
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- 検査
- 歯科治療が必要なのは高齢な子が多いので、麻酔がかけられるのか血液検査・X-Rayなどで調べていきます。
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- 入院
- 体調に問題がなければ日程を予約してもらい、当日は朝ご飯を抜いた状態で来院していただき、お預かりします。
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- 歯科治療
- 麻酔下で歯科用レントゲンを用い状態を確認し最終的にどう治療するか決定します。スケーリング、ルートプレーニング、キュレッタージ、ポリッシング、必要に応じて抜歯を行っていきます。
歯科ユニット
半導体レーザー
歯科用レントゲン -
- 退院&ケア
- 翌日に退院となります。その後、何度か来院いただき歯の状態を確認しつつ口腔ケアについて相談していきます。
猫ちゃんには通常の歯周病と違う歯肉口内炎(尾側口内炎、慢性口内炎etc)という病気があります。
原因はまだわかっていませんが現在最も効果が高いと考えられている治療が全顎抜歯または全臼歯抜歯です。
口の奥から始まる炎症を抑えるためにほとんどの歯を抜歯します。80~90%の子は改善します。歯周囲の骨を削って抜歯する必要があるため麻酔時間も長く負担のかかる治療になりますが薬も注射も効かない場合は必要な治療になりますのでご相談ください。
現在、多くの飼い主さんが歯周病の症状が出てから治療の相談に来られます。
その多くは歯周病が進行し複数の歯が抜歯せざるを得ない状態になっていることが多いです。
悪くなってから治療するのではなく悪くならないように予防することで生涯多くの歯を残し健康に過ごすことができます。悪くなる前であれば麻酔時間も短く一度の負担が少ない安全な処置を行うことでできますので是非ご相談ください。